these foolish things

Prejudice and Fiction

時計と僕



 

 

これはマジの話なんやけど

 

小さい頃、ウルトラマンとか仮面ライダーとかそういう王道には一瞥もくれず

 

大好きな時計売り場で、秒針に合わせて人差し指をチクタクチクタクと動かしていたのが小さい頃の僕だそうだ。記憶はない。キショすぎる。

 

 

 

 

 

 

 

そんな僕が初めて腕時計を買ったのは中2の頃だったよう。

Swatchの全部真っ黒な時計だ。全部真っ黒で読めない時計を買うあたり、昔っから変わらない自分らしさを感じる。Swatchって響きが耳に良いなあって前々から思っていて、時計ほしいなあってなったときには第一候補になってた。

初めての時計ということでとても思い入れがあるが、最近はもっぱら使っていないし、電池も切れたままである。それもそれで良さがある。使うときに電池を交換しようって思い続けて、その使うときが来るのは子供が中学生になったときになるんやろうなあ、っていう良さ。寝室の戸棚に閉まってある時計を子供がいたずらついでに見つけてちょーだいちょーだいせがんでくるんだろうなあ。ハ?

 

 

当時、学年×1000円のおこづかいで必死にやりくりしていたので、この10000円弱する時計を買うなんてことはもう捨て身の決断だった。神聖なるお年玉にも手を付け、1回30円の風呂洗いで荒稼ぎした当時の大金をこの時計にブチ込んだのを鮮明に覚えている。


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そして1年後くらい、時計って案外買えてしまうねんな、と味をしめた僕は2本目を購入した。

 

Timexのキレイな緑レザーベルトの時計だ。パテックのカラトラバみたいなドレスウォッチをよりカジュアルに仕立てたカワイイ時計。パテックごめん。

たしか色違いが死ぬほどあって、中でもなかなか出回ってなくて若干値が張ったこの緑をエイヤーーーーーーと買ってしまったのを覚えている。茶色ベルトに黒文字盤とか普通やん?

 

Swatchとどっちにしようかな、みたいに毎日悩みながらベルトの内側が黒くなるまで使い潰していた。

ちなみにまだ秒針は動いているが、到底使わないだろうなあという予感。Swatchもそうだが、今の気分にはケースがデカすぎる。時計が主、僕が従になる。


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高校から大学までずっと腕に着けていた時計はチープカシオである。U-1000円。ジャパニーズプライド。

写真は実は2本目で、1本目はヒビが入って捨てた記憶がある。全く同じものを買ったわけだ。そしてこの2本目もバンドが切れてしまっている。

 

この時計を買ったときの気持ちを覚えている。

「腕時計っていうのは、高級時計かそれ以外かで大別される。だからSwatchとかSKAGENとか中途半端な時計を買うくらいならチープカシオで良い」

うん、今でもそう思う。

中学生の頃に買った2本はなんというか地でオシャレだと思って着けていた一方で、チープカシオとなるとなんというかスタンスが浮かび上がるんですよね。敢えてね、とか、まあどうでもいいし、とかそういう斜に構えたスタンスが。50歳くらいになって着けたりしたらもっと渋いかもしれませんな。敢えて、がほんまに敢えてって感じになりそうなので。

 

一番長く使った時計で、学生時代の時計といえば僕にとってコレが当てはまるので、染みる。実に染みる。


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そして何の思い入れもない2本。

アマゾン非プライム会員だった頃、送料無料にするために上の1本をカゴに入れてみたら、なんだか欲しくなっちゃって下も追加してしまった。完全に無駄遣いではあるが、めちゃめちゃかっこいいことには変わりない。


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ここまで3本チープカシオが続いたが、まあ時計としての機能はちゃんとしてるし、時計の中で一番軽くて何の気無しに着けられるから今後も使っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次は祖父がくれた時計。

大学2年の頃に、来年就活やなあみたいな話をしていたらおもむろにこの時計を部屋から持ってきて、そしてくれた。

 

率直にとんでもなく美しいデザインで高まったし、この時計がモノとしてハンパなく良い時計だってこと後から知って、おじいちゃんマジで孫のためにありがとうございますってなった。次は僕が孫にあげたい。

もともとはメタルバンドだったこの時計、祖父の趣味で革ベルト仕様になっていたみたいで。けどその革がもうダメになっていたので新しい革ベルトを買いに一緒にお出かけした。時計ひとつでちゃんとここまで鮮明に記憶が残る。忘れね〜〜〜。

 

んでこのタイミングで、時計が次の世代に引き継がれていくことの美しさを知った。女の子はイヤリングとか指輪とかを祖母や母親から貰う喜びを知っているんやろうけど、男ってそういうのあんまないんよね。本とか音楽とか映画とかそういうのとはまた別やん、物を貰うって。だからやたらと嬉しかった。

 


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就活終わった頃に、父親が時計を買ったとかいうて僕に自慢してきた。ガジェットとか好きな父親はソーラーとかクロノグラフとかそういうの好きなんやろうなあ、ってことで興奮するのもまあ分かった。

僕にとってはゴツくてガチャガチャしてるから、そんなタイプではない。米倉涼子くらい。僕って米倉涼子そんなタイプじゃないやん?

 

んで、大学寮を出て新居に入居できるまでの4日間だけ実家に帰ったのだが、じゃあまた帰ってくるわ〜って階段降りようとした時に、「テルちょっと待っといて」の一言。なんやねんバス逃すわって思って待ってたらこの時計くれた。

就活終わった時点で僕に買ってくれてたんやろうなあって辻褄が合ってなんか色々感じることがあった。そういうことを父親はわざわざ説明せんのよな。かっこつけんなよな。

けど、大学入るまで父親とまともに会話したことなかったから尚更良い思い出にはなったな。全然タイプではないけど。

欲を言えば父親のダイバーズウォッチとムーンウォッチが欲しかった。実家帰ったら盗む。



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ほいでほいで最後。

サラリーマン生活2週目になって、「あ、サラリーマンってこういう40年なんや終わった終わった」ってなった。かと言ってサラリーを貰わない仕事をするだけのポテンシャルなどあるはずがない。サラリーを貰うしかないのである。

 

ということで、社会貢献とか存在意義とか仕事そのものの楽しさいう意味合いを抜きにして、なんのために働くのか友達と駄弁った。

友達は根っから男なので、車が俺の生き甲斐だ、と。ローンの見積もりまでもう出した、と。ルノーの新車を買う、と。仕事が終わってハンドルを握るその瞬間がオーガズムだと。トリキで言うてた。山芋の鉄板焼混ぜながら。

 

いやでもマジでそうなんよなあって合点がいった。貰ったサラリーで自分の機嫌を取るには何が必要なのかな、とか考えてたら結局没頭できるもの・趣味がないとダメだなあってなった。じゃあ自分にとって興奮できるものは、と考えていたら時計が出てきた。

 

「腕時計っていうのは、高級時計かそれ以外かで大別される。だからSwatchとかSKAGENとか中途半端な時計を買うくらいならチープカシオで良い」

とか言うてたけど、高級時計買えるやん、ってなったのである。それでずっと昔からかっこいいなあって思い続けていたこの2本の価格相場を追う夜のネットサーフィンが続いた。



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結果、下は彼女とおそろでまた今度買うからいいや、ってなった。ということはどういうことかと言うと、上を買う決断をした。

 

皆さんご存知無いと思うんやけど、ローンというものがあるねん。それを使ってボーナス2回を無いものとして捉え、10ヶ月間の干し飯生活を覚悟のうえ、そして利息に対する嫌悪感はグッっっっっっと堪えることを誓い、購入したものがこちらですわ。俺はお前のために働く。プロミスインラブ。

 

 

まあ1年目なので当然職場には着けていけないんですがねガハハ。

 


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この時計は僕の所有する時計の中で唯一電池の力を使わずに動く。いわゆる機械式時計だ。腕につけているときの日常動作で動力がリザーブされるのだが、放っておいたら普通に秒針が止まる。

 

日曜日の休日終わりに腕から外し、それから48時間経った仕事終わりの火曜日にこの時計へ目を遣ると秒針が止まっちゃってるわけだ。それがまた可愛らしくて萌え萌えーといった感じ。

 

そして何より、この時計ホントにかっこいい。

ROLEX EXPLORER Ⅰ Ref.114270

という時計だが、Ref.というのはリファレンスナンバーを意味する。エクスプローラーワン通称エクワンには、まあだいたい4つのリファレンスナンバーがある。いつごろ作られたモデルですよー っていう。

 

 

1016 : ヴィンテージ
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14270 : 1990年代

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114270 : 2000年代

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214270 : 2010年代

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ほんまに全部一緒にしか見えへんのやけど、だからこそ少しの違いにウットリする要素があるんだなこれが。まあ大きな違いはというと、214270だけケース径が3mm大きい。写真右


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としても全然わからんわな。

 

 

 

んで、現行のモデルは214270なので、昔のRefを手に入れるためには中古市場を片っ端からサーチしないといけないのである。

んで、214270よりケースサイズが3mm小さい36mmで、中のムーヴメントが14270のものより改良されていておそらく丈夫なんだろうなあっていう114270について価格調査を続けたわけである。

 

ちなみに現行の214270を正規店で買おうと思っても買えないというのが現状だそう。希少性をキープしているみたいだ。たしかに居留地店に何度か赴いたが、オイスターパーペチュアルとかギラギラのデイトジャストしかなかった。つまらん。ちなみに部長はデイトジャスト愛用者。


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エクワンの良さって、うるさくないとこだと僕は思う。ケース径も小さくて、変な装飾もなく品がある。いやらしさを全く感じさせない。

ROLEXといえばサブマリーナーだと思うがデカいんよな。
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華美でなく小さすぎず大きすぎず、ほんのり薫ってくる気品がエクワンにはある。うん、俺はお前のためにとりあえず1年働く。

 

 

 

 

後日談として、友達もルノーの中古車を買った。お互いバカだけどそれでいいよな。

 

 

 

そして今見ている時計は、

Cartier Tank Solo
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Omega Seamaster 300 マスターコーアクシャル

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Cartierはずっと欲しい。近々買う。

Omegaのシーマスターは007Spectreで時限爆弾として使われてた時計。実際に着けてみたらウオーーーーーってなったのでいつか欲しいなみたいな。けどデカいのでたぶん買わない。

 

 

んで憧れはパテックのノーチラスでしょやっぱり。一生買えないと思うが。


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はぁ、時計は良いぞ。