these foolish things

Prejudice and Fiction

タブカラーとカフスと。

 

 

東京にやってきた。

 

 

 

19年京都-5年神戸、想像以上に関西人だった。

 

しかも傍から見れば「上品な」関西人だ。勘弁して欲しい。第一印象はある意味悪ければ悪いほど良いので。

 

 

 

ショートショート駄文を以下に綴る

 

 

 

余裕のある人

僕はいま、「余裕がある人」だそう。

あながち間違いではなかった。というのも友達は良くしてくれるし、彼女と距離を感じたことがないし、仕事も日々発見がおもしろいし、お金もギリ足りるし、ロードバイクが健康生活を導いてくれている。心身ともに健康で常にヘラヘラ笑っていられる。

なんだか完璧かもしれない。

 

ただ、向上心の欠如がどうも悩ましい。

精神的に向上心のないやつはバカだ、という言葉に煽られて揃える向上心など自己欺瞞の塊でしかない。向上心はあったほうが良いから向上心を持つ、そんな理屈など認められない。

向上心を育むストーリーを独力で編んでいかなければならない。難しいなあ。

 

『こころ』を今読み返すと違った見え方がするかもしれないな。青空文庫を覗いてみよう。

 

 

 

 

タブカラーとカフス

父親の影響で『007』が好きな自分は、主人公ジェームズ・ボンドのスーツスタイルを参考にするようになった。

ただ、スーツの良し悪しというのは素人にはたいへん分かりづらく、そこがハマる要因になっているのかもしれない。知っている人だけが知っていて、着る人がだけが分かっていて、それはすべて厳格なルールに基づいている。ステキなエコシステムだと思いませんか。ルールがあるのが良い。

 

まだサラリーマンの幼虫であることを自覚し、まずは『007』をマネることにした。

 

ダニエルクレイグ版のジェームズ・ボンドは既に5作あって、6作目はコロナ禍で2度も延期を喰らっている。前情報はいいとして、その内3作目『SKYFALL』から衣装が「TOM FORD」提供になりコスチュームデザイナーもそこからひとりの人が継続して担当している。その人が誰、とかそこまで踏み込めていなくてもどかしいが、僕は3作目以降のボンドスタイルがものごっつ好きなのである。カッコよすぎる。

 

 

 

特に。


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3作目『SKYFALL』で 007_license to kill を再び得ようとするもアル中やら体力の衰えやらでやつれてしまってなかなか現場復帰できないボンドが着ている、薄い無地ブルー(おそらくオックスフォード地)のタブカラーシャツがお気に入りだ。

 

ほいでから。


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4作目『SPECTRE』でクリストフ•ヴァルツのアジト内を動き回る濃紺無地スーツがもう濃紺の美しさを教えてくれたよね。砂漠に差し込む強烈な太陽光に青じゃなくて黒が反応する紺、なにかしら言葉が与えられてても良い。

紺にもいろいろあると知って、光の下で赤が反応する紺のスーツをこないだ仕立てたが、マジで良い。想像以上に地味で良い。

 

 

 

 

こういう風にそれぞれのシーンで「お手本」が散りばめられている。

そこで何を真似ようか思案した結果、タブカラーとダブルカフスは取り入れることにした。

 

 

タブカラーとは。

ネクタイの美しさは首元で決まる。

人それぞれ好みはあるが、結び目(ノットという)が小さく収まる four-in-hand knot が好きだ。いちばん簡単ゆえいちばんポピュラーな結び方にもかかわらず、品川ではちゃんと結べている人をなかなか見かけない。こういうところがおもしろい。

その地味に光るノットを物理的に浮かせてくれるのがタブカラー(襟)だ。襟周りがスッキリする。『SKYFALL』では全シーンがこのタイプのシャツだったと記憶している。


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ダブルカフスとは。

袖が二重でダブルカフス、以上。

ダブルカフス自体はフォーマルな位置づけにあるらしく、確かに愛用していて思うが華やかさより厳格さのイメージかなあ。

また、困ったことにボタンがついていないのでカフスボタンが必要になる。カフスボタンが無ければ彼シャツ着た男みたいになる♂ ダボい。

じゃあカフスボタンを選ぼう。ここは何も気にせず白蝶貝一択。カフスボタンは自ずと目立つから絶対に目立たせたくない。けど目立たせたい。というか、カフスボタンしないと留まらない袖型を敢えて選んでますよーというそこだな。その答えとしての白蝶貝である。

『SKYFALL』の広告はかっこいいね!カフスも目立たないし!ショベルカーで列車の後部座席を千切って列車に乗り込んだあとに涼しい顔でカフス直してるダニエルクレイグかっこよすぎる。後部座席千切るのコロケーション初めてやな。
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タブカラーとカフスだけで、なんだか1UPした気持ちになれる。周りの世代で無地とタブとカフスを決め事にしている人に出会うことがない。

一方で、襟型をカッタウェイにしたり、ストライプシャツを買ったり、クレリックにしたり、っていうのは今のところ自分には下品に映る。誰もが思いつくし、ハードルは低いし、何より目立ってしまう。まだ吸収しきれない。

自分の物語があって、その物語がやんわりと外に零れてしまうような身なりを心がけていきたい。

 

 

 

あとはスーツなんですけど、すべてTOMFORD製。一度は袖を通してみたい。。。

そもそも Super170's とかいう細い糸を使って織られたスーツなんてワンシーズン着たら破れてしまうくらい繊細なんやけど、その犠牲があって成り立ってるツヤなんてもう涙ポロリ。

そんな高級スーツを仕事で着るなんてできるわけがない。せいぜいSuper130'sとかで、110あればなかなかのツヤが出る。カシミヤスーツとか安くで仕立てられへんかなあ。

 

スーツはいろいろオーダーしてみて思うが、ユニバーサルランゲージメジャーズのセールを逃さず初日にキャッチするのが結局安いし仕立ても良いしでいちばん良い。

摩擦系数ゼロのなで肩をどう扱うか一緒に考えてくれるスタッフさんが、ストレスないフィッティングを提供してくれた。まさしく「価値」そのもの。よそで仕立てたスーツをその日は着ていたんだが、どこが悪いか思い切って聞いてみたらズバズバ改善箇所言ってくれて、いやプロやなあと思ってしまった。ちゃんと言ってくれるんよな。

 

はーねむ、寝よ。